2010年8月21日土曜日

人間の行動と制御システム

人間は普段から自らの思考に基づいて行動している。
しかしながら、その行動の結果が自らの理想とかけ離れているのはどうしてだろう。
たとえ「遺伝子」による性質の特徴があったにしても、人間は良いと思われる方向に向かうべきなのではないだろうか。

ここで自らの思考が如何にあやふやなものであるということが解る。
その理由は、環境に他ならない。
人間は自らの思考をその環境からの情報を元にしている。
一般的に考えられる環境からの情報は、学校あるいは職場での会話、テレビ放送、インターネット内の記事などであろう。
最近は本を読む人が少なくなり、蓄積される知識は電波で送られてくる一方的な情報が主体になってしまっている。
過去に知識人と呼ばれていた人たちは、自らの疑問を解くために書籍を読み漁り、同種の専門家の戸を叩いたものだ。
だが現代では、テレビやインターネットでたくさんの情報を収集できるようになった。
これが「知識人」の大きな落とし穴になっていることは、周知のことだろう。
それはせっかく集めた情報の真偽を問うための技術、あるいはそういう場が無いことだ。
真偽を明確にしなければ、集めた情報を活かすことができない。
下手をすると、その膨大な情報に振り回されて、事実から遠ざかってしまう恐れがある。
その場合、本道から外れて見当違いな行動を起こすという事態に陥る。

この落とし穴から脱却するために、自らの疑問には自らの五感を使って解明する必要がある。
必ず一つの情報を得た時には、自分でその情報の正当性を確かめなければならないのだ。
簡単に情報を得られる時代だというのに、逆にその情報の真偽を確かめる手間が掛かってしまうという矛盾が起こっている。
しかし、この手間を怠ると「思考制御システム」に捕まってしまうことを忘れないで頂きたい。

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