このようにヒトが持つ遺伝子の仕組みは、人間の今を明確に描いている。
しかし、この二重らせん構造が破壊された事例を知る人は少ないだろう。
今現在、精神の安定を保てない人に起こっている驚くべき実態がある。
ヒトは父と母の持つ両方の遺伝子を持つのが普通なのだが、時に多大な精神的ダメージを受けると、この二重らせん構造に変化が起こる。
まるで固く繋がれた鎖が引き千切られるように、レールの1本が剥がれ、変形してしまう。
修復を迫られたDNAは、驚異的なスピードでその部分を補おうとする。
その時、ダメージを受けなかったもう片方のレールが使われ、歪ながらも元の形に戻そうとするのだ。
そうなると、その人の性質に変化が起こる。
それは、失われたレール以外の性質が色濃く表に現れると考えられる。
たとえば、こんな人は周りにいないだろうか。
とても辛い経験をした後、前とその人の性格が変わってしまったようなこと。
恐らく、以前の性質のバランスが崩れ、別の形を取ることで再度バランスを保とうとした結果、少し違った性質が現れてきたのではないだろうか。
実は私も同じような経験がある。
精神的なショックを受けた後の自分の性質が、以前と大きく変わっているのに気づいた。
男性の持つ強さのような性質が濃くなり、以前持っていた優しい性質が消えかかっていたのだ。
修復は時間を経て行われ、現在は元に戻っている。
更に別の側面が見えてきた。
父と母の性質を両方兼ね備えているはずが、父方の性質と違うものを自分の中に見つけたのだ。
確かに親族からは誰にも似ていないと言われてきた。
そこであることに気づく。
どうやら実父と思っていた人は、実父ではないのではないか。
過去の出来事の中に、思い当たる節が次々と浮かび上がる。
人間とは面白いもので、いくら隠そうとしても遺伝子などの情報を分析すれば、必ず事実が判明する。
連綿と現在まで受け継がれてきた遺伝子が、その人の性質と歴史を不思議と偽り無く映し出すである。
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