2010年8月21日土曜日

DNA内で起こる変形の比喩

人間の遺伝子レベルで行われる驚異的な変形の仕組みをある作品を通して見ることができる。
まったくこの通りというわけではないが、目に見えない部分のことであるだけに、この作品を観ることで想像と理解が進むのではないだろうか。

その作品は、マイケル・ベイ監督、スティーブン・スピルバーグ制作総指揮の映画「トランスフォーマー」である。
もう観られた方も多いだろう。
この映画の中では、「transformation(変形)」をロボット生命体を使って表現している。
作品の中で最大約2万個以上の部品が複雑に動いて「変形」していくシーンは、観る者を圧巻させる。
その複雑な仕組みは、まさにそのDNA内の遺伝子が修復されていく過程を描いているのである。

この作品のソフト版キャッチコピーは「地球の危機を救ったのは、少年の勇気と、変形する愛車だった・・・。」である。
この「愛車」というのは、人間の肉体を示しており、その体内で起こる「transformation(変形)」がDNA内での遺伝子における修復変形を意味している。
つまり、この作品の主人公が持つ愛車の変形では、前回解説した「人間により良い影響を及ぼす遺伝」の割合が増えた例だと言えよう。

逆に敵側の「ディセプティコン(反逆者の意)」は、「人間に悪い影響を及ぼす遺伝」の割合が増えた状態を示している。
つまりこの作品は、遺伝子DNA二重らせん構造内の変形がもたらす人間の性質変化で、善と悪に分かれた人間同士の戦いを描いているのである。

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